こんにちは。
私、ぴーちゃん。
今日は彼の調子がだいぶ良さそうで安心した。連日吐いたり寝込んだり、本当に大変だったから。
で、元気になると彼の「要らないものアンテナ」が活発に動き出す。今日のターゲットは電子レンジだった。
この電子レンジは亡き夫と暮らし始める時に、義理の両親からお祝いにプレゼントされたものの一つだった。
私は最近、夫との結婚式の写真を沢山捨てたので、少しナイーブになっていたのもあったかもしれない。
その電子レンジを「よく分かんないけど、過去の遺物ってカンジがするんだよね」と彼に言われた時、無性に腹が立ってしまったのだ。
昨日の記事にも書いたが、彼は自分が住んでいたマンションを引き払い、昨日から正式に我が家での同棲がスタートした。その際に彼はお気に入りのガスコンロと少しレトロなデザインのオーブンを持ってきた。
我が家のガスコンロは3年前にこの家に越してくるときに購入したもの。魚焼き用のグリルもパンしか焼いたことがないのでとてもキレイ。しかしボディが黒いからという事で彼のオフホワイトのものと交換を迫られていたのだ。
彼は「黒いもの」に異常なまでの拒否反応を起こす。我が家に出入りし始めたときから、ガスコンロと電子レンジがすごく気になっていたそうだ。
しかし、どちらもとてもキレイだし、どこも壊れていない。私としては、何となく手離すのが忍びない。
彼は「こうだ!」と思うと一歩も引かないところがあるので、私たちは時々衝突を余儀なくされる。
しかし、電子レンジを「過去の遺物」と言われたときは相当ショックだった。大声で反論したいくらいに。
しかし、彼は鑑定の仕事を控えていたし、私もことを荒立てるのはイヤだったので、自分の部屋に戻って机に突っ伏し、ぶつぶつと悪態をつくしかなかった。
彼が仕事をしている間に、私は雨の中、近所のリサイクルショップに出向き、出張買取の日にちを相談した。
今回、引き取ってもらうのは無印の衣装ケース8個、本箱、(私の)ガスコンロ。
悔しいが、一応電子レンジもラインナップに加えてみた。
すると、店員さんが「電子レンジは10年お使いなんですね。うちは5年以内のものしか引き取れないんですよ。1,500円頂きますが、引き取って処分することもできますよ?」と言った。
なに?電子レンジは買取できないとな?
私は嬉々として自宅に戻った。
そして、鑑定の終わった彼にその事を伝えると、急に
「電子レンジをすぐに処分しろと言ったけど、ぴーちゃんのペースでいいよ。僕はこの家にいると物が多くて、辛くなるんだ。だから、いろいろとうるさく言ってしまう。それに、太ろうと思って沢山食べても、すぐに食欲がなくなって痩せてしまうんだよ。だから、僕の肉体改造計画はぴーちゃんのお片付けが終わった後にしようと思う。当分諦めるよ」と言い出した。
こんな風に折れられると私の頑なだった気持ちも少し緩んで「ごめんね、ありがとう」と素直に言うことができた。
実は今日、彼に詰め寄られたとき、「ぴーちゃんは電子レンジのマイクロ波が食べ物の栄養を壊すことを知ってるよね。それを知ってるのに何で使い続けるのか僕には理解できない」とも言われていた。
これ、ものすごくグサッときたんだよね。
私は夫が亡くなってから、急に今までやってきた食事療法がイヤになって、ジャンクフードも沢山食べるようになった。
ところが、ここにきて、20歳も下の彼から食事の摂り方を見直すように言われてしまったのだ。私の中に「そんなこと、言われなくても分かってる!」という苛立ちの気持ちが湧きおこってしまった。
正しいことを言うのに年齢もクソもないのに。
じつは今。私の中で、もうかなり「電子レンジとお別れしよう」という気持ちが大きくなってきている。彼にはまだ内緒だが、多分日曜日の出張買取で引き取ってもらうことになるだろう。
お片付けといい、食に対する姿勢といい、私の生活はどんどん本来あるべき方向に矯正されているようだ。
ちょっぴり一人暮らしの頃の気安さが懐かしいが、新しい彼との生活を受け入れ、どんどん自分をアップデートしていきたいと思った、今日この頃である。