こんにちは。
私、ぴーちゃん。
今日のお片付けはパスポートなどが入っている書類棚だ。全部で三段あるのだが、昨日のようにふいに故人のものが出てきてどっと疲れが出る、ということを恐れた年下彼氏が「今日は一段だけにしておこうね」と言ってくれた。
私は内心「三段ともいけそうだけど、まあ取り合えずやってみるか」と言う感じだった。私はこの引出しの整理を完全になめていたのだ!
この書類棚は幅、奥行きともに20センチくらいのものだ。しかし、内容が実に濃かった。
まずは中身を一度外に出してみた。ポチ袋、はがき、今までに撮った証明写真、お薬手帳、カード類、パスポート、スペアキー、USB、キーホルダーなどなど。
ポチ袋とハガキは奇麗だし使い道がありそうなので再度引出しに戻した。USBは知人からもらったものだが、使っていないので処分。
次に手を伸ばしたのがパスポートだった。しかも、それは亡き夫のものだった。夫とは生前沢山海外旅行をし、本当に楽しかった。だが、このパスポートは今の私には必要ない。きれいな袋に入れてサヨナラを言った。さすがにまた涙が出た。目の前にいた彼氏も黙って見守ってくれていた。
次はキーホルダー。これはニュージーランドに一人旅したとき、自分用に購入したものだ。しかし、買ったのをすっかり忘れていて、引出しの奥で3年間も眠らせていた。マオリ族の飾りをモチーフにしたもので、重厚感もある。柄が彼の刺青と少し似ていたのもあって「良かったら使って」と、プレゼントした。彼もちょうどキーホルダーを欲しがっていたのでとても喜んでくれた。
そして、私がサッとしまおうとした証明写真に彼が突っ込みを入れた。
「それは整理しなくていいの?」と。
そのミニクリアファイルには資格試験を受ける度に撮った証明写真7,8回分が挟まれていた。おそるおそる出してみると、そこには沢山の垢抜けないボヤけた顔の私がいた。
彼は「え??これ全部ぴーちゃん?今のぴーちゃんの方が絶対いい。僕、この時に会ってたら付き合うどころか食事にも行きたくないかも!」と言うではないか!
「えええっ?そんなに変?って言うか、確かに本当にどれもブサイクだね・・・」
私も久しぶりに見たのだが、今より若いはずなのに、どれもとても老けて見えたのだ。
彼はとどめに「こんなぴーちゃん、絶対に抱きたくならない」と言ってきた。
がーーーーーん。
かなりショック。(´;ω;`)ウゥゥ
私:今の私はいいの?
彼:うん、だって今は奇麗だし、明るい感じがするもん。
前の写真はどれも幸薄そう!
ほ、ほほう。幸薄そうねぇ(-_-;)言われてみればそうかも。しかし、この写真たちは今後の戒めのために一枚ずつ取っておくことにした(証明写真はだいたい8枚1組)。
そして、最後はカード類。二つの塊が輪ゴムで留めてあった。きっと、自分が使わなくなったポイントカードか、何かだろうと思っていたら片方は夫のカード類だったのだ。またもや衝撃を受けたが、一枚一枚丁寧にハサミを入れ処分していった。自分のポイントカードは迷うことなく全捨て!
たった、一段だけなのに今日は35分もかかってしまった。亡き夫の遺品を触るとどうも軽く目まいを起こしてしまう。昨日同様、また彼に布団を敷いてもらい横になることにした。
片付けごときで何を大げさな、と思う人もいるかもしれないが、今回の片づけは自分の人生を変える覚悟で臨んでいるものなのだ。片付けをし始めて少しずつ物の多さが気になってきた。それくらい要らない物のエネルギーで私の部屋は占領されてしまっている気がする。
始めた当初は半月くらいか?とタカをくくっていたが、どうやらひと月くらいはみておかないといけないようだ。
明日は書類棚中段だ。まるでびっくり箱を開けるかのような感覚。ぶっ倒れないように気合いを入れて取り掛かりたい。