アラフィフぴーちゃんのるんるん日記♪

私のとりとめのない日常を綴っております。20歳年下の彼氏とのやりとり、お片付けの話し、大好きな映画や本の話し、などなど。

Apr/17th/2020 年下彼氏の言語化できない苦しみ

 

 

 

 

 

こんにちは。

私、ぴーちゃん。

 

 

 

 

私はとても冷え性だ。

 

彼とベッドインするときには極力ハダカにならないように気を付けている。しかし、彼は出来るだけ素肌を合わせたいと言う。これが長時間に及ぶと私の身体はかなり冷えてしまうので少しだけ億劫になってしまうときがある。

 

昨夜も同様だった。セックスが終わった後、私の身体は冷え切っていた。全身がだるくなり、少し胸のムカつきも感じた。

 

とにかく身体を温めようと熱いシャワーを浴びた。すると少しだるさが無くなり、彼の待つキッチンへ向かった。

 

彼は心配そうに私の顔を覗き込み、「これなら食べれる?」と軽い食事を用意してくれていた。私は少しだけ食事に口をつけたが全部は食べることが出来なかった。

 

その様子を見ていた彼が急にネットで何やら検索し出した。私は彼の後ろへ回り込んで画面を見てみると何と「腹巻き」を注文しようとしていたのだ。

 

:何してるの?私、締め付けが苦手だから腹巻きなんて要らないよ?やめてよ!

:だって、冷えを治すにはお腹を温めるのがいいって言うじゃないか。それを治せばハダカでセックスしてもそんなに身体が冷えなくて済むでしょ?

:いやいや、そうじゃなくてハダカになるのを避けてもらえればいいんだよ。それか、すぐに服を着させてくれればいいの。とにかく買ってくれても腹巻きなんかしないからね。

:なにそれ!冷え性だからって何枚も着こむのはネガティブな考え方じゃないか!それよりも根本的に冷え性を治すことを何故考えないの?そんなのおかしいじゃん。

 

私は頭の中に?マークが浮かびまくった。確かに彼の言っていることは正論だ。しかし、私はハダカで抱き合うことよりも、無理のないセックスをする方がいいと思ったので彼の勧めを断固拒否した。

 

すると、彼の眼がうるうるし始めた。

「どうしてそんな後ろ向きな考えしかできないの?僕のポリシーは絶対諦めないことなんだ。だからぴーちゃんにも諦めて欲しくないんだよ。前向きに克服しようとして欲しいだけだよ」

 

私はかなり困ってしまった。そこから彼が今まで見たことのないような険しい顔になりそっぽを向いてしまったからだ。

 

きっと、彼は過去にも友人たちにもこうやって「前向きに克服していこう」と自分の考えを主張したことがあるに違いない。そして疎ましがられてしまったのだろう。

 

彼は突然頭を押さえて「ごめん、時々こういう風に話し合いになると自分の考えがまとまらなくなってパニックになるんだ。もういいからほっといてくれる?」と言った。

 

:え?パニックって?私は大丈夫だから、今思っていることを話してみて?

:だから、それが分からないって言ってるだろう?なんかモヤっとするけどそれを言葉に出来ないんだ。昔からそうなんだよ。それで相手が「きっとこう思ってるんだよ」とかって僕に考えを押し付けてくるけどいつも納得いかなくて、僕が「違う!」食い下がってしまうんだ。そうすると、相手が「もういい」とか「めんどくさい」と話し合いから逃げてしまうんだよ。誰も僕のことを理解してくれようとしないし、向き合ってもくれない。

:え?昔から?

:そう。親代わりに僕を育ててくれた御祖母ちゃんだってそうだった。笑って「はいはい分かった分かった」とか言って話しを終わらそうとするんだ。僕はついカッとなって「逃げんなよ!」と言ってしまったこともあるんだよね。

:そうだったんだ・・・

:頭が痛い。こうやって自分の気持ちを言葉に出来ないとき、後頭部が痛くなるんだ。軽い鬱状態になってしまう。ぴーちゃん、僕はもう大丈夫だからほっといてくれる?

 

そう言われて放っておけるはずがない。

 

:今まで、気持ちを言語化できずに一回一回スルーしてきたの?

:うん。

:それは辛かったね。

:うん。

:じゃぁ、あなたが本当はどう思ってカッとなったのか二人で考えてみようか?自分の思っていることが自分自身で分からないなんて、気持ち悪いじゃん。そりゃあ後味悪いよ。

:うん。

:大丈夫だよ。私なんて暇だしさ。いくらでも話しに付き合うよ。一緒に考えてみよう?

 

その後、私たちは「こう思ったんじゃない?」「うーん、それはちょっとピンとこないな」などと二人で彼の言語化できない思いを探っていった。

 

付き合い始めて間もない頃、彼が「今までぴーちゃんほど、こんなに話しを聴いてくれた人はいない」と言っていた。私はそう言われて「そうお?」と軽く流していたが、その言葉の奥にはこんな彼の心の叫びが潜んでいたのだ。

 

私は元々セラピストだったこともあって人の話しを聴くのはそう苦ではない。それがたまたま彼を安心させたようだった。

 

「僕は小さい頃から複雑な環境で育ったし、大人たちから”わがまま言うんじゃない!”と抑えつけられてきた。それで知らないうちに自分の気持ちを言えなくなっていったんだ。それで段々自分の気持ちを言葉にするのが苦手な人間になっていた。でも、大人になってその気持ちがどういうものなのか知りたいと思ったんだ。だから誰か相手と話しているとき、どんどん話しを掘り下げるようになって、それが行き過ぎて相手からウットオシがられるようになってしまったんだ。”ただのメンドクサイ奴”みたいなレッテルを貼られちゃってさ」

 

女性は比較的自分の考えを言葉にするのが得意だと思う。それに引きかえ男性は行動で考えを示していこうとするので、ときどき相手に理解してもらえなくなるときがある。

 

しかし、私の彼の場合は行動で示そうにも根本である自分の考えが何か分からないので立ち往生してしまうのだ。これは今まで相当コミュニケーションで苦労してきたのだろうと想像できた。

 

私は彼と出会ってまだ3か月だが、そろそろ同棲しようか?という話しも出ている。私は自分でも相当変わり者だと思っているのだが、そんな私を彼は「大好きだ」と言ってくれている。そして私の彼のことが愛おしくて仕方ない。

 

彼の心のケアを一緒にしていけるのが私で良かったと思った。

 

「私は絶対あなたから離れないからね」眠りに就く前にそう言葉を掛けたが、彼は少し遠くを見ていた。

 

誰でも多かれ少なかれ心に傷を負っているものだ。私もこの出来事に最初はとても困惑したが、「二人で苦手を克服し、絆を深めるチャンス」だと前向きにとらえることにした。

 

私は亡き夫との間に子宝には恵まれなかったが、こうして今少し子育てのようなことをさせてもらえてラッキーだな、と感じている。